「給付付き税額控除」については自民、公明、立憲民主の3党首が9月19日に会談し、制度設計に向けた協議体を設置して各党の政調会長を中心に検討を進めることで合意。高市氏は総裁選で「給付付き税額控除」について「中低所得者の負担を軽減し、給与収入に応じて手取りが増えるようにする。あと数年かかる取り組みにはなるが、とても大切な取り組みだ」と述べている。たしかに、「給付付き税額控除」は所得の少ないひとにも恩恵がおよぶ制度だが、国・地方が国民の所得や資産を網羅的に把握する必要があり、制度設計には時間を要する。
「給付付き税額控除」は所得税の減税と給付を組み合わせた制度で、一律の減税や給付より低・中所得者に支援が届きやすい利点があるとされる。負担軽減額を10万円とした場合、@納めるべき所得税額が10万円のひとは納税が免除されるA所得税額が5万円のひとは納税が免除されたうえで5万円の給付を受けるB所得税額がゼロのひとには10万円が給付される――といった仕組み。減税しきれない分を給付で補うため、納税額が少ないひとほど恩恵を感じやすい制度だといえる。
総裁選候補者による討論会で高市氏は物価高対策について「手当てすべきひとの対象を絞り、集中して支援することが重要。『給付付き税額控除』は、まさに低・中所得者層に絞った支援策だ。国民のためにスピード感をもって取り組んでいく」と実現への意気込みを語っている。
また高市氏は、所得税がかかり始める水準である「年収の壁」の引き上げにも意欲を示している。年収の壁をめぐっては、政府が25年度の税制改正で、国民民主党の求めに応じて103万円だった所得税の課税最低限を160万円に引き上げた。国民民主はさらに178万円への引き上げを求めているため、高市氏の主張とも合致する。だが、高市氏はその一方で、消費税の税率引き下げについては「物価高対策としては考えていない」と明言。消費税減税≠ノは消極的な姿勢を示している・・・(この先は紙面で…)